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午後23時、アメリカ南部にて
アメリカのテキサス州ヒューストンに駐在する筆者が当地にて感じた様々な事柄をお伝えします。
10 | 2018/11 | 12
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ザリガニシーズンの終わりに
しばしば指摘されることとして、アメリカには名物がないとよく言われる。テキサスへの訪問者から当地の名物が食べたいと問われれば、僕は基本的にステーキを薦めるのだけど、実際のところ、ステーキが名物というのは、テキサスに限らず、農業や畜産が盛んなアメリカの州で広く見られる現象である。それではもっとテキサスならでは、もしくは南部ならではのものがないかと言えば、答えはCrawfish(ザリガニ)である。

ザリガニというと、日本人には食べ物としてのイメージが薄く、むしろ田舎の生まれであれば、子供の頃に近所の田んぼや池で、パンの切れ端等をえさに釣り上げて遊んだものという印象が強いだろう。しかし、テキサスの人々はシーズンになると、食べ物として、本当にザリガニを良く食べる。ザリガニのシーズンは2月下旬から5月初めくらいで、僕も何だかんだでシーズン中に10回以上は食べていると思う。ザリガニを大量にゆでたものがテーブル一杯に運ばれ、各自で一つ一つ殻を割って、中の身をスパイシーなソースにつけて食べるシンプルな料理だ。

元々ザリガニは、お隣のルイジアナ州の郷土料理であるケイジャン料理の一部だ。ケイジャンとは、18世紀半ばの時点で、フランスのアカディア植民地(現在のアメリカ北東部とカナダの南東部の一部)に住んでいたフランス系の人達の呼称で、ヨーロッパの七年戦争がアメリカに飛び火したフレンチ・インディアン戦争の結果として、ルイジアナ州に強制追放された人達の子孫だ。料理にフランス料理の影響が残っている一方で、ルイジアナの自然の中での自給自足を長く強いられたため、ザリガニやワニ、カエルなどの土着の生き物を料理することもその特徴である。

そうしたケイジャン料理の中でも、ザリガニについてはテキサスの料理になっている感がある。シーズンになると、ケイジャン料理のレストランだけではなく、タイ料理や中華料理などそれ以外のレストランでもザリガニがメニューに並ぶし、4月下旬には、ザリガニ料理の屋台がひたすら並ぶ、Crawfish Festivalなるものもヒューストンの郊外で開かれている。そして、更に興味深いのは、テキサスの一部の企業は、この時期になると、自社でもCrawfish Partyを開いて、取引先の関係者を招待し、ただひたすらザリガニを食べさせるのだ。僕も一度そうしたPartyにお邪魔したけれど、ごっついアメリカ人の男たちがテーブルに並んで、ザリガニの小さな身をちまちま食べているのは、若干ほほえましくなる光景でもあった。

ザリガニの食べ方にも、テキサスの人々はそれぞれ独自の意見を持っていることが多く、この位置から殻を割ると身の全体が確実に取れるとか、殻の内側に残った肝の部分が本当は最もおいしいだとか、色々な持論を展開してくれる。その意味では、食べる時に黙々と食べるために無言になりやすいことも含めて、日本人にとってのカニに近いかもしれない。(カニの様に高級な食品というイメージはないが。)シーズンの始まりである2月は未だザリガニのサイズが小ぶりであり、3月下旬から4月初めにベストシーズンを迎え、5月になるとザリガニのサイズは最大になるものの、この時期まで来ると余りに成長しすぎて身が固くなってしまう。

そういうわけで僕もザリガニのシーズンはそろそろ終わりだろうかと思っていたのだけど、今週末うれしい誤算があった。というのは、友人が自宅で主催するザリガニパーティーに招かれ、半分以上は初対面の人だったので、到着する前は若干緊張していたのだけど、いざ一緒にテーブルに座って、ザリガニの殻をむき、小さな中身を食べ続けるという共通の作業を続けると、すぐに仲良くなれたのだ。パーティーの後半になって、ザリガニのカクテルを作るため、食べるのは一旦お休みして、ただ殻だけをむき続けるという時間になると、より結束が高まった気がする。今回の参加者には、白人も、黒人も、ラティーノも、インド人もいたが、誰もがザリガニが大好きで、人種に関係なく人々をひきつけるザリガニの魅力を改めて見直してしまった。

今シーズン、何百、下手したら何千というザリガニを食べたか定かではないけれど、色々な人達との距離を縮めてくれたザリガニにここで感謝の気持ちを伝えたい。

「今までありがとう、ザリガニ、来年会えるのを楽しみにしているよ!」

crawfish.jpg




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アメリカのテキサス州ヒューストンに駐在する商社マンです。

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