FC2ブログ
午後23時、アメリカ南部にて
アメリカのテキサス州ヒューストンに駐在する筆者が当地にて感じた様々な事柄をお伝えします。
10 | 2018/11 | 12
S M T W T F S
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

George Zimmerman裁判の判決から一夜明けて
今回はたまには時事ネタについて書いてみたい。

今週はアメリカに来てから最も「人種」というものを意識した週だった。日本でどの程度報道されているのかわからないが、昨日までGeorge Zimmerman(ジョージ・ジマーマン)裁判と呼ばれた殺人事件の裁判が行われていて、ラティーノの加害者が、黒人の非武装の少年を射殺した事件ということで、今なお残る黒人への人種差別という文脈から、全米中の注目を集めていた。

事件のあらましはこうだ。昨年の2月26日、フロリダ州のSanfordで、ペルー移民のラティーノであるZimmermanが、自分が住むタウンハウスを巡回中に、黒人で17歳の高校生であったTrayvon Martin(トレイボン・マーティン少年)を見つけ、Martin少年が何か悪事を働こうとしていると考えたZimmermanは少年と口論になり、最後にはMartin少年を射殺してしまう。当初からZimmermanは正当防衛を主張して逮捕されなかったために、全米中で「Zimmermanが逮捕されなかったのは、被害者の少年が黒人だからだ」という抗議運動が巻き起こり、結果としてZimmermanは今年4月に殺人容疑で逮捕・第二級殺人罪で訴追され、6月10日から一ヶ月超に渡る裁判が行われていたというもの。特に裁判が終盤に近づいた今週は、連日CNNなどの主要ニュースネットワークがトップニュースとして裁判の様子を報じていた。

↓最新ニュース
http://www.usatoday.com/story/news/nation/2013/07/13/george-zimmerman-found-not-guilty/2514163/

昨日、全員が女性の6名の陪審員が下した評決は"Not Guilty"。ただ、事前及び事後の報道等を見る限り、この評決自体はある程度予想されたものであったようだ。僕がアメリカ刑法の素人であることを承知で論点を述べると、もともとZimmermanは正当防衛での発砲を合法とするフロリダ州の「自衛法」が適用されるとして釈放されており、検察側が今回有罪判決を勝ち取るためには、Zimmermanが故意にMartin少年を射殺したことを証明しなければならなかったのだが、ここ数週間の検察側の弁論は、素人目にもどんどん不利な状況に追い込まれていることが明らかだった。

ただ、やはりこの事件は、事件そのものに関する法廷戦術の巧拙以上に、マスメディアの過剰とも言える報道も相まって、「未だに黒人差別は根強く残っている」というイメージを全米に喚起したことが大きいと思う。特に、事件の加害者が、つい最近までアメリカにおける「新しいマイノリティ」であり、近い将来には「新しいマジョリティ」になる可能性もあるラティーノであったことも、「アメリカの人種構成が変わろうとも、黒人はいつまでも虐げれた存在」なるイメージを生み、事件に触れた人々が抱く感情をより複雑なものにしたと思う。

これ以上本テーマについて書こうとして、このテーマがブログの一つの記事としては到底書ききれない、根深く複雑なテーマであることに気づく。例えば、テキサスは南北戦争の歴史をひもとくまでもなく黒人の多い州で、実感として、小売店や工場により多くの黒人を見かける印象を受けるが、かといって、それをもって「黒人の社会的地位はいつまでも低い」などど軽々しく結論づけていい話でもないだろう。この裁判にしても、Zimmermanの弁護士は一貫して、「Zimmerman氏は黒人の被差別意識を背景とした不適当な憎悪の対象となり、無実の罪を着せられようとしている」と主張していた。

僕にできることはといえば、今回のZimmerman事件を通じて改めて表面化した問題を問題として受け止め、アメリカに住むものの一人として、その答えを考え続けることなのだと思う。その問題に真正面から向き合える時が来たら、また改めて筆を走らせてみたい。
スポンサーサイト

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://ryusozan.blog64.fc2.com/tb.php/21-959403b0
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

タツヒコ

Author:タツヒコ
アメリカのテキサス州ヒューストンに駐在する商社マンです。

カテゴリー

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

ブログ内検索

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。