午後23時、アメリカ南部にて
アメリカのテキサス州ヒューストンに駐在する筆者が当地にて感じた様々な事柄をお伝えします。
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大人の社会化見学 in Houston / 石油化学プラントツアー
ここヒューストンは色々な言葉で形容されている。例えば、宇宙産業の街、最先端医療の街、アートとグルメの街、全米でも最も人口流入の激しい街の一つ、などなどだ。それでもやはり、ヒューストンに住む者にとっては、「石油ガス産業の街」という表現が最もしっくりくるだろう。その象徴としてこの街は東の郊外に、全米最大の石油化学プラント群を抱え、しかもシェールガス革命の結果としての空前の石化産業ブームにより、そのプラント群はものすごい勢いで拡大している。今回、関連企業に勤務されている友人の行為で、そうしたプラント群を巡る機会を得たので、感謝の気持ちを込めて、ここでその様子の一部を書いてみたい。

まず最初に訪れたのは、アメリカの石油化学企業であるLyondellBasell社のエチレンとポリエチレンのプラント。複雑に配管が張り巡らされたこのプラントは、戦場での不動の要塞を思わせる存在感を誇っていた。このプラントだけで、年間80万トンのエチレンを生産しているという。下の写真に見えるのは、多くの石化製品の元となるエタンをクラックするエタンクラッカー。ヒューストンの石化産業の象徴とも言える設備だ。

plant 2

また、プラントの血液とも言える冷却水を製造するクーリングタワーも見えた。空の雲と、タワーから湧き上がる水蒸気が渾然一体となっているのがいかにもヒューストンらしい風景だ。

plant 1

次に訪れたのは、ヒューストンの東ベイタウンにある、世界最大の石油会社ExxonMobilのリファイナリー(製油所)と石油化学プラントのコンプレックス。石油化学プラントに近接して製油所を設けることで、プラントの原料となる芳香族炭化水素などを効率的に供給することを狙っているものだ。ベイタウンの広大な敷地に製油所から化学プラントに至る数多くの設備が点在する様は圧巻だった。下の写真の左側に見えるのは、そうした諸々の過程で発生する余剰ガスを焼却して無害化するための設備、フレアスタック。かなり見にくいけれど、プラントの象徴とも言える炎「フレア」が上がっているのが見える。フレアの炎の鮮やかさは、この産業が扱っている石油化学製品が持つ危険なまでのエネルギーを示しているかの様だった。

plant 3

ただ、何と言ってもプラントが秘めている膨大な力を目の当たりにさせられるのは夜のプラント群だろう。夜のプラント群は操業上の必要により数多の照明によって照らされていて、一見するとクリスマスのイルミネーションと見まがう程に色とりどりの光を放っていて、ふと「美しい」という感情を抱いてしまう。ただ、驚いてしまうのは、輝くプラント群の上空に目を向けた時だ。プラントから排出され空に広がった煙がプラントの照明に照らされて、空がオレンジ色に輝いているのだ。その様は時に幻想的に、時に不気味にも見える。

plant 4

以前このブログで、ヒューストンで見る太陽が大きくて美しいのは、この石油化学プラント群から排出される微粒子が、空気中で太陽の光を屈折させる結果だと書いたことがある。この夜のプラント群もそれと似ていて、関わりのない人が見れば、数年前の日本で流行っていた様に、夜景を前に恋人達が語らうちょっとしたデートスポットに向いていると思うかもしれない。ただ、僕達ヒューストンに住み、何らかの形で石油ガス産業に関わっている者たちは、そうした一見した美しさから、自分達が関わっている産業が、地域の環境に対してどれほど大きなインパクトを持ちうるかを自覚すべきだと思う。そして、それでも石油や天然ガスが、エネルギーや石化製品という形で、全体としては社会に対してプラスの影響をもらたしていることを信じるしかないだろう。


Tさん、本日は素晴らしい企画をありがとうございました!本当に勉強になりました!!
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アメリカのテキサス州ヒューストンに駐在する商社マンです。

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